こんにちは。墓じまいアドバイザーの栗原と申します!
「終活」には馴染みがあるものの、何を具体的に行うべきか理解していない方も少なくないでしょう。この記事で、終活において重要なタスクをしっかりと解説します。終活を始める前の要注意ポイントも含め、ぜひご一読をお勧めします。
終活やることリスト?終活の定義とは
終活とは、一生の終局を迎える際に、生前に多種多様な計画を進める活動を指します。
これには将来の医療や介護に関する意向表示、身の回りの整理、自らの葬儀や墓地の準備などが「終活」として実施されています。終活を通じて、後に残る家族や親戚の負荷を減らすことが可能です。
また終活は「今後、充実した自分らしい生き方をする」ことも目的としています。
介護や葬儀、墓地について事前に考えておくことで、老いても安心して元気いっぱいに暮らすことができます。今後の生き方を模索する手がかりとして、終活を始めてみることをお勧めします。
終活をめぐる4つのライフステージ
終活は、人生の異なるステージで異なるアクションを要求します。
以下に、主要なライフステージを紹介し、それぞれのステージで考慮すべき終活の要素を説明します。
心身ともに健康
この段階では心身ともに健康で、財産管理や日常生活の自立が可能です。
エンディングノートの作成や、資産・保険の整理、将来の生活設計を行うと良いでしょう。
判断能力の衰退
次に判断能力が徐々に衰え、ある程度のサポートが必要になる段階です。
この時期には、任意後見人の設定や、財産管理の支援を整えると良いでしょう。
判断能力の喪失
このステージでは自己の意思表示が難しくなります。
事前に設定しておいた任意後見人や、家族が財産管理や医療面での意思決定をサポートします。
相続の発生
本人が亡くなると相続が発生します。
遺言がある場合はその通り、なければ法定相続に基づいて財産が分けられます。
終活やることリストを作る前に!終活をスタートするにあたっての重要なポイント
これから、終活を開始するにあたり押さえておきたい要点をシェアします。どう終活を進めればいいのか迷っている方は、ぜひこれを参考にしてください。
厳格なルールを感じないよう心がける
終活において「絶対にこうすべき」、「必ず〇〇を実行すべき」といったストリクトなルールは存在しません。
この記事の後半部分で終活のやることリストをご説明しますが、それに完全に従う必要はありません。ストレスフリーで進められるよう、あなたらしいペースを大切にしましょう。
体力を必要とする終活やることリストから取り組む
スムーズな終活を目指すなら、体力を必要とするタスクから着手してみるのはいかがでしょうか。例えば、墓地や介護施設の選定は複数の場所を訪れることとなりますので、体力が減退してからでは厳しいでしょう。
身の回りの整理も、物を選び出す判断力と共に体力も要求されます。
このように体力を必要とするタスクは、元気なうちに徐々に始めることをお勧めします。
関わる人々の願いを受け入れる
終活では、家族や親せきなどの意見や希望を尊重することが大事です。
特に葬式や供養に関わる部分では、自分だけの判断で決定すると、遺された方々に手間をかける可能性があります。あなたの願いを伝えることも重要ですが、他者の意見も考慮しましょう。
家族と終活に関する情報をシェアする
終活を進めていく上で、家族と情報を共有することも大切です。
たとえば墓の場所や遺言書があったとしても、家族がそれを知らなければ、準備した意味がありません。終活の進行状況やあなたの希望などは、定期的に家族とシェアしておきましょう。
急ぎすぎないことを心がける
終活は急いで完了させるものではありません。じっくりと時間をかけて進めましょう。終活には様々な検討事項があり、即座に決定できない項目も存在します。
短期間で強引に終わらせようとすると、納得のいかない選択をしてしまう恐れがあります。また焦りからミスを招くこともありますし、さまざまな手続きでの個人情報やパスワード等に不備が出ることも考えられます。終活は人生の再評価と将来の準備活動ですから、時間をかけるのは自然なこと。
リラックスして、穏やかに進めていきましょう。
専門家への相談も視野に入れる
専門家への相談も、終活を円滑に進める手段としておすすめです。
終活において取り組むべきテーマの中には、専門的な知識を必要とするものもあります。特に相続や介護施設選び、葬儀や墓地選びなどは専門的な知識が求められ、プロセスも複雑です。
困ったときは専門家に頼るのも一つの選択肢です。
こちらの記事をごらんになられた方は、下記の記事も読まれておりますので、ぜひご覧ください。
終活のやることリスト
ここでは終活のやることリストについて詳しくご説明します。
先述した目標を念頭に、ポイントを抑えて終活を進行しましょう。
終活やることリスト:1.身辺を整理する
自宅に不要なアイテムが多い場合、段階的に断捨離を行いましょう。
要らない物を残してしまうと、あなたが亡くなった後、遺族が遺品整理で困る可能性があります。何が必要で何が不要かを考え、使っていない家電、衣服、家具などを処分してください。このタスクは体力と判断力が要求されるため、健康なうちに取り組むことをおすすめします。
また不要なアイテムを排除することで心のすっきりとした感覚を手に入れ、ライフスタイルにも余裕が生まれ、快適に過ごしやすくなります。さらに物の量を減らすことで、将来的に家族が遺品整理を行う際の手間も軽減されます。
上記の例をガイドラインとして、可能な範囲からモノの整理を開始してみてはいかがでしょうか。
終活やることリスト:2.遺したい品物の整頓
断捨離とリンクしていますが、どの遺品を誰に渡したいかの整理も重要です。
自分が蒐集していたコレクション、ペット、アクセサリー、衣類など、誰に託すかを計画的にリストアップしておくとよいでしょう。また相手が遺品を受け入れたいかどうかも、事前にチェックしておくことが大切です。
終活やることリスト:3.エンディングノートを整備する
終活において、エンディングノートの使用は効果的です。
エンディングノートは、あなたの基本情報、身の回りの事、ペットのことなど、終活に関連するアイテムを記録しておくノートです。
手元のノートに必要な情報を記載しても良いですし、市販のエンディングノートを利用するのも便利です。エンディングノートを整備し、書き込める項目から順に記入していきましょう。
終活やることリスト:4.財産をチェックする
終活では、財産のチェックをお勧めします。再び自分の財産を確認することで、将来の生活を計画できます。
保険やライフスタイルを見直す機会にもなるでしょう。資金が十分にあるなら、旅行を楽しんだり、新しい保険に加入したりといったプランが立てられます。また何かあった場合、財産をどのように分けるかも検討しましょう。
使用している銀行や存在する資産を把握しておくことで、自分がいなくなっても後の手続きが円滑に進むでしょう。
エンディングノートに自分の財産に関するメモを記しておくと便利です。また、家族にメモの存在場所を先んじて知らせておくことも重要です。
終活やることリスト:5.遺言書を準備する
財産の確認を行った後、遺言書の作成も考慮しましょう。
遺言書がないと、家族や親せきが資産に関してトラブルを抱える可能性があります。遺言書は必ずしも必要ではありませんが、家族間でのトラブルを避けたい場合、作成をおすすめします。
法的な力を持たないエンディングノートで資産の分配について記述できるものもありますが、法的手続きを通して資産を相続させたい場合は、遺言書を作成しましょう。
遺言書は、遺言者(財産を残す人)が財産の扱いを指定する文書です。遺言書を用意することで、自分が望む形で財産の相続を設定することができます。
もしも相続の方針が定まっていなければ、一般的には財産は家族や親せきに相続されることになります。また、遺族が存在しない状況下では、財産は国に帰属、すなわち国の財産となります。
相続計画をまだ立てていない方々が、次のような思いを抱えていることも考えられます。
こうした思いを抱く方々の中には、お気に入りのNPOなどを対象として、遺言書を通じた寄付(遺贈)を考える方も存在します。
終活やることリスト:6.口座をまとめる
もし複数の口座を持っているなら、事前に整理しておくことをお勧めします。
終活やることリスト:7.葬式に招待したい人をリストアップする
あなたの葬儀や葬式であなたとの最後のお別れを望む方々を考慮しましょう。
招待したい人々のリストを作成し、関連する連絡先情報もまとめておくことで、遺族に対する負担を軽減する手助けとなります。このリストはエンディングノートに記載するか、遺族がアクセスできる形で保管しておきましょう。
終活やることリスト:8.葬式の計画をする
葬儀や葬式は、故人を偲び、家族や友人が別れを告げる大切なイベントです。
予め希望する葬儀の形、場所、流れを決めておくと、遺族への負担軽減に繋がります
また近年葬儀を生前に予約するサービスを提供している場所が増えています。自分が生きている間に葬儀を計画しておくことで、死後、自分の理想に合った葬儀が実施できます。また葬儀のコストも事前に把握できるので、財政的な計画も立てやすくなります。
すなわち事前に葬儀社との打ち合わせや見積もりを行うことも可能ということです。費用面も計画に含め、必要であれば葬儀のための貯金や保険も検討しましょう。
終活やることリスト:9.墓地を考える
墓地選びも終活の一環です。希望する場所に墓地を設けるか、すでに家族の墓がある場合はそちらを利用するかを決定しましょう。さらに墓石のデザインや名前を刻む文字のスタイルも考慮し、必要な手続きや費用の準備を行うと良いでしょう。
自分がまだ健康なうちに、墓地の手配も行うことが可能です。
自分が生前に自分の墓を設置する「生前墓」という選択もあります。墓地を事前に購入しておくことで、残された家族の負担軽減や、使うべき資金を明らかにしておく手助けにもなります。
墓地の先行予約まで進めなくても、自分の希望をエンディングノートなどに記しておくこともアドバイスされます。自分の意向を明確に伝えることで、自分がいなくなった後の手続きもより円滑になるでしょう。
以下の記事では、墓じまいについてもご紹介しておりますので、ぜひご覧ください!
終活やることリスト:10.デジタルデータを整理する
現代では、パソコンやスマートフォンに多くのデジタルデータが保存されています。
パスワード管理やオンラインアカウントの整理、デジタルアセット(画像、動画、ドキュメント等)の保管場所やアクセス方法をリストアップし、大切なデータは遺族がアクセスできるようにしておくことが大切です。
終活やることリスト:11.サービスを再確認する
月額で利用しているサブスクリプションサービスや、メールマガジン、会員制のサイトなどをチェックしましょう。
不要なサービスは退会または解約を行い、必要なサービスに関しても遺族が理解できるよう情報を残しておくと親切です。
終活やることリスト:12.介護や医療に関する意向を示す
あらかじめ自身が受けたい医療や介護の内容を明示しておくことも重要です。
望む介護のスタイル、生命を延長する処置についての願望、臓器ドナーになる意志など、個人の希望をエンディングノート等に記録しておくことをお勧めします。そして、事前に家族へその願いを共有しておくことも大事です。
もし将来的に介護や特定の医療措置が必要になった際の意向を、エンディングノートやライフプランに記しておくと、家族があなたの意志を尊重した対応が可能になります。
終活やることリスト:13.緊急連絡先を共有する
緊急時に連絡を取りたい人のリストとその連絡先を明記しましょう。またあなた自身の医療情報やアレルギー情報もこのセクションに記載しておくと、何かあった際にスムーズに対応ができます。
これらのタスクを通して、あなたの大切な意向や情報がしっかりと伝わり、あなた自身も安心して未来を迎える準備ができるでしょう。終活は決して悲しいことだけではなく、これからの人生をよりよく生き、そしてあなたが大切にしている人たちへの愛情を形にする大切なプロセスです。
14.住まいについて見つめ直す
どこでの老後を過ごすか、今から考慮しておくことは重要です。
老後の居場所として主なオプションは以下のとおりです。
年齢を重ねると、体が順調に動かなくなることや、自宅が老朽化して修繕が必要になることがあります。老後の居住については、できる限り前もって計画を練っておくと良いでしょう。
終活のメリット
終活に取り組むことは、未来の自分や家族を守り、安心感を提供します。多様な要素を含む終活ですが、その実施によって享受できる主要なメリットをいくつか以下に紹介します。
自分の半生などを振り返り、気持ちを整理することができる
終活は、自身の生きざまを再評価し、感謝や反省を通して気持ちを整理するプロセスともなります。これは、自分自身の内面と向き合い、これからの生活をより豊かにする手助けをしてくれます。
老後の不安を解消でき、前向きに生きられる
終活を通じて老後の計画を検討し、明確なビジョンを描くことで、未来に対する漠然とした不安を具体的なアクションプランに変換できます。これは心の安定と前向きなライフスタイルに直結します。
家族の負担を軽くできる
終活では、葬儀の手配や遺産の分配、重要な情報の整理などを行います。これにより、もし亡くなった場合、残された家族が困らないような配慮ができ、家族の心と時間の負担を軽減します。
遺産相続トラブルを防ぐことができる
明確な遺言を残すことで、遺産分配に関するもめごとや家族間のトラブルを未然に防ぐことができます。これは家族関係の健全性を保ちながら、遺産をスムーズに引き継ぐ手助けとなります。
終活のデメリットや注意すべき点
終活にも、そのメリットとは反対に、いくつかのデメリットや注意すべきポイントが存在します。
しっかりと終活を計画することは大切ですが、過度なプレッシャーや不安感を感じる可能性もあり、その結果ストレスを抱えることがあります。
家族と終活の情報を共有する
ストレスを軽減し、スムーズな終活を進めるためには、家族とコミュニケーションをとり、進捗を共有することが大切です。また、事前に想いを伝えることで、家族との関係がさらに深まる可能性もあります。
デジタル終活を忘れない
デジタル情報の整理も重要な一環であり、アカウントの管理やオンラインでのサブスクリプションサービスの契約解除など、デジタル環境での終活も念入りに行う必要があります。
弁護士など専門家に相談する
終活の過程で複雑な問題に直面した際には、ファイナンシャルプランナーや弁護士、税理士などの専門家に相談をすることで、専門的なアドバイスを得て、より安心して終活を進めることができます。
終活に関する3つの一般的な疑問
これから、終活について頻出する3つの問いに答えていきます。
それぞれの疑問について、順を追って説明していきます。
終活を開始する適切なタイミングは?
終活開始のタイミングは特に規定されていません。実際、20代から終活を開始しても全く問題ないのです。
現在の年齢にかかわらず、もし終活に興味があるならば、「やることリスト」を基に、可能な範囲で今から始めてみるのも一つの手段ですね。
アクションリストの中で最初に取り組むべきことは?
「アクションリスト」からどのアクティビティを最初に選んでも構いません。
手軽に始められる「エンディングノートの記入」や「.資産の再確認」から取り組むのはいかがでしょうか。
また「財産の相続先を自分で定めたい」とお考えの方は、遺言書の作成も考慮に入れてみてください。
単身者でも終活を進めるべきか?
「単身での突然の死が心配」「もし認知症になってしまったら?」
このような心配を抱えている単身者の方こそ、終活は強く推奨されます。例えば自分の判断能力が衰えてしまった際、事前に任意後見人を指定しておくことで、財産管理や介護などを適切に行ってもらえます。
支えとなる人が少ない単身者こそ、終活を進めることで未来のリスクを軽減できるでしょう。
終活やることリスト:まとめ
終活、すなわち終の活動、は自らの人生の終焉に備える行動を指し、これには医療や介護に関する意思決定、身の回りの整理、葬儀や墓地の準備などが含まれます。
明文化されたルールは存在しませんが、体力を要するタスクから始めることが推奨されています。
そして終活は一人で進めるものではなく、家族やプロフェッショナルとの相談も非常に重要です。これは、自身にとって意義深く、かつ家族の負担を軽減するための行動となり得ます。
上述したポイントを元に、できるところから少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。
終活と合わせて墓じまいについてごらんになられていますので、以下の記事をぜひ見てみてください!
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